小説『暴走する正義』~地上の星へ

※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
【概要】
東京で警備員のアルバイトで生計を立ててる主人公『田中駿』がふとした事件をきっかけに職場の仲間に声をかけて悩みながら巨大な悪と戦う。勇気とは正しいとは何か?
【登場人物】
シュン・田中駿
○主人公、未来に希望を持てないけど転職したい30代
ミッツ・山崎光朗
〇田中の同期、コンピューター、IT関係に強い
トモ・鈴木知広
〇同期、マッチョ体育会系
ゴロウさん・渡辺五郎
〇昭和世代、元建築職人
ヤマさん・山口明
○昭和世代、元トラックドライバー
ヤヨイ・田口弥生(女)
○学卒、就活生
エノさん・江ノ原仁
○社員、頼りないまとめ役
教官・加藤真一
○社員で教官、厳しいだけじゃなく温かい一面もある
〇序章
東京の中堅スーパー、蝉が鳴いてる暑い夏のある日、汗が止まらない。車両がどんどん入っては出ていく誘導口車両が出た後に、歩行者を通す『ご協力ありがとうございます』と軽く会釈する僕とヤマさん。
~はぁ暑いなぁ~(顔をお互い見合わせる)『ヤマさん、今日暑くないですか?』 『あぁそうだな、熱中症になるなよ!』『そうすねお互い水分とりましょうか?』 今日も二人で出庫口で誘導してる。僕らは4人編成でこの現場にいる。夜勤は独りで店舗内での片付け作業に従事してるから、実質3人だ。今年の夏も暑い、例年ニュースを見たら僕らみたいな現場仕事してる人間が倒れてるニュースを見るから気が抜けない。人の通りが多くなると大変になる。
~なんで転職できないんだろう?~生計を立てるとはいえもっと楽な仕事ないのかな?といいつつもベテランみたいな領域になる僕は裏手で水分補給していた~
まぁ日本は大失業時代大企業に勤めても平気で解雇する体制になってしまった何でもかんでも海外の真似してきていつも被害被るのは“普通に暮らしてきた僕ら~文句言っても仕方ない。
色んな年齢や世代がどんどんこの警備業界の門を叩いては辞めてく人の多さ~僕らみたいなのもいれば劇団にいる人とか、お笑い志望の人とか、学生もいるしオジサンやオバサンもいる。
『わりぃ、シュン戻ってきてくれ』交通量と歩行者が増えだした~あぁ、あ~ 『いいっすよ』即元の配置に戻る。『すみません少々お待ちください』『ありがとうございました』殆どこの2つの言葉しか行ってない気がする。あぁもう15時かぁ~問題なければ数時間で帰れるな~交代が来るはずだから・・・
『おつかさんですぅ~』エノさんがやってきたビニール袋抱えて!ヤマさんが先に気づいて『お疲れさん、エノさん差し入れかい?』『そうすよ、みんなで飲んでください』スポーツドリンクの差し入れ人数分持ってきた!『お疲れさまです、巡回ですか?』シュンも声をかける。二人は誘導中だから戻る事はない。『うん、そうですよ』と現場にある書類をパラパラめくる、連絡ノートもだ。あぁ夕方になった、そう買い物客や学生やカップルや夫婦?老夫婦、色んな人がやってくるそれらの歩行者や車を捌いていかないといけない。

お互い誘導中に『ヤマさん先に水分補給しちゃってください』と僕が促す。 『おっ独りで大丈夫かぁ?ありがとなぁ~』と笑いながら立ち位置から外れる。『何いってんすかぁ~大丈夫すよこの位』と笑いながら裁く、僕らは仕事柄キョロキョロと周囲に気を配る。どこで何が起こるか気が抜けないからだ。視線を後方に向けると車両は来てない、その端の日陰で、ヤマさんとエノさんが喋ってる、流石に誘導中は何をは成してるか?気にならないそれどころじゃないからだ。
ヤマさんが戻ってきた『駿、お前も水分補給してこいよ』歩行者も車両も少なくなってきた『じゃぁ、入ります』と引っ込む。エノさんが声をかける『お疲れ様です駿さん、どうすか?なんか問題とかありましたか?』僕より若い20代後半頼りない社員だけど愛着ある奴だ、嫌いになれないタイプだ『エノさん特にないすよ』『それより新しい人はどの時間帯に入るんですか?』 『駿さんと同じ朝番に入れようかと思ってます』『年齢は?』『50代位ですかね?』『どうなんですか?出来そうなんですか?使えそうなんですか?』とスポーツドリンクを流し込む。『分かる訳ないじゃないですか』『ハハハッ、そうすねぇ~』
『じゃぁそろそろ誘導に戻ります』とエノさんを置いて配置に戻った。ヤマさんに話す『今度50代位の新しい人くるみたいですよ』『今度は何日持つかなぁ?』と悪戯っ子の眼差しを向ける・・・『辞めさせないで下さいよ、人が足りないんだから』と苦笑いをよそに『オレが毎回辞めさせてるみたいじゃん』とヤマさんとこんな会話数ヶ月に何回しただろう?
すっかり暗くなってヘッドライトと街灯が点灯する時間帯になった・・・・
~もうすぐ帰れる~きっとヤマさんも似たような気持ちだろうか?
すっかり暗くなりこの時間は車のライトが眩しい、だから余計に集中しないといけない。歩行者、自転車、そして車・・・・大体合図を出したら大概は止まったり徐行してくれる。有難いものだ、我々は警察の下請けみたいなもんだ、強制力はないだから難しい。ホント難しい。大分、お客さんも少なくなってきた~珍しいこういうこともあるもんだ。その時スーパーのパートさんが声を掛けてきた『すみませ~ん』
僕はヤマさんと顔を見合わせた『いってこいよ駿、俺が裁いておくから!』僕はスーパーのパートさんの所にいった『どうしたんですか?』『店内に変なオジサンいるんですよ浮浪者かな?店内で見てもらえませんか?』『わかりました!ちょっと相方に声かけてから行きます』と離れてヤマさんに声をかけた。そしてパートさんと主にお店に入る。
そこそこお客さんが買い物してる、家族連れ、サラリーマン、若い女子・・・その中を一緒に歩いてく、青果コーナーを抜けて、歩いていくと見るからにだらしない服装、汚れた靴、はだけたシャツ・・・一瞬『んっ?』って装いの高齢者男性がふらつきながら歩いいてお酒コーナーに向かっていた。パートさんの顔をみた小声で言ってくる
『あの人です』。『了解、いつまで見てればいいですか?』『店外に出るまでお願い』『了解しました、ちょっと無線入れますね』。僕はヤマさんに無線を入れた。『ヤマさん、聞こえますか?』誘導中に無線が入る。んっ?『どうした?』一度、誘導から外れ歩道に入る『なんかあった?』
『なんか、不審者いるんでマークしてますお店でるまで見てくれと。忙しくなったら無線下さい、お店の人に言って誘導もどりますんで』『ありがとう、多分一人でやれるよ』『了解』無線を切った。お店の中に紛れ込む・・・やはり制服は目立つな・・・まぁいいか・・・対象者から約10メートルくらい離れて監視する。お菓子の棚を整理して前出ししながらチラチラ、対象者を見ている。今の所、怪しい動きはない。惣菜コーナーに移動した。目線は追いかける。何度やってもいい気分はしない。ようやく出て行ってくれた。レジの前で声掛けしてくれたパートさんに報告して僕は戻る。一安心だ。
僕はその足で誘導に戻った。誘導に戻るとヤマさんが声を掛けてくる『なんかあった?』『いや何もないすよ』。
外は真っ暗だ、ヘッドライトがまるで星みたいに眩しく光る、これがまた歩行者を見極めるのが大変な危険な時間帯。もうすぐ今日の仕事が終わる。明日も早いから早くかえりたいな~!と思っていたらヤマさんにも見抜かれたみたいで『終わったらさっさと帰ろうぜ』と(笑)笑いながら僕もそう答えた。明日は早いからな。
はぁ~明日は現任だ・・・・
